賠償、補償内容は?破損や紛失などクリーニングトラブルの弁償範囲とは?
大切な洋服をクリーニングに出したら、「悲惨な状態で戻ってきた!」という場合や、「返ってこなかった!」という場合、どのような範囲が補償内容になっているのでしょうか。預ける前の相互チェックや補償してもらえるお店など、細かい注意点を紹介します!
世界にひとつだけのものだから、破損や紛失なんて許せない!?
クリーニング屋さんは、たくさんある職業の中でもとてもクレームの多い職業だと言われています。
それもそのはず、これからも大切に使いたいお気に入りのものだからこそ、多くの人はプロのクリーニング業者に任せようと思うのです。
それなのに、もう使えない状態になって戻ってきたり、紛失されてしまったりしたら、文句のひとつも言いたくなるのは当然です。
洋服は世界にひとつだけの大切なものゆえに、破損や紛失などがあればショックが倍増し、クリーニングトラブルに発展してしまいます。
「クリーニング事故賠償基準」があれば、補償内容の指標に♪
なんらかのクリーニングトラブルの被害に遭ってしまったとき、きちんと補償してもらわないと納得できませんよね!
もちろん、このようなトラブルに備えて、クリーニング業界には補償内容の目安があります。
つまり、クリーニング業者へ洗濯物を預けている間に起こったいろいろなトラブルに備え、「全国クリーニング生活衛生同業組合連合会」では、自主基準で賠償、または補償内容を定めているのです。
これを、クリーニング事故賠償基準といいます。
「全国クリーニング生活衛生同業組合連合会」の加盟店やSマークのお店なら補償してもらいやすい!
次のクリーニング店では、クリーニングトラブルの早期解決を目指すために、このクリーニング事故賠償基準に基づいてトラブル対応にあたっています。
- 「全国クリーニング生活衛生同業組合連合会」の加盟店
- 厚生労働大臣が認めた「クリーニング業の標準営業約款」に基づいて営業しているSマークの店
これらのお店では、預けた瞬間~戻ってきて受け取る瞬間までの間になんらかのクリーニングトラブルが起こると、クリーニング事故賠償基準を基準に補償内容を割りだして、クリーニング店に賠償責任があるとして対処してくれます。
補償の対象となるのは、利用者の手を離れている間です。預けた瞬間~戻ってきて受け取る瞬間までの間にトラブルがあった場合、クリーニング業者に賠償責任があるのです。
「クリーニング事故賠償基準」が保証内容を決める指標に!
補償してくれるのは、「クリーニング事故賠償基準」に基づいて運営しているクリーニング店に限りますが、なんらかのトラブルがあった場合は、「クリーニング事故賠償基準」が指標として頼りになります!
「クリーニング事故賠償基準」を目安にトラブルにあたることができるのは、「全国クリーニング生活衛生同業組合連合会」の加盟店やSマークのお店です。
法律上、クリーニング業者が損害賠償しなければならない補償内容や補償範囲とは?
「クリーニング事故賠償基準」に基づいて運営しているクリーニング店では、トラブルに対し損害を賠償する責任があります。
破損・変質・紛失など、実際よくあるクリーニングトラブルなら補償内容に含まれる!!
実際、起こりえる次のようなクリーニングトラブルに対し、「クリーニング事故賠償基準」を採用しているクリーニング業者は、利用者に与えてしまった損害を賠償しなければなりません!
補償内容を詳しく見ていきましょう!
クリーニングに出す物品の状態について、相互確認や説明をしなかった場合
- クリーニングに出す物品について、クリーニング不可能なものは断る
- クリーニングに出す前に、物品の状態について利用者と相互確認をする
- クリーニングに出す物品について、注意事項があれば説明しなければならない
クリーニング業者には、職業上、上記のことについて利用者にきちんと話さなければならない義務があります。
説明や確認をせず、クリーニングに出したものに損傷を与えてしまった場合、クリーニング業者は必ず損害を賠償しなければなりません。
説明を怠ったために、二度と使用できない状態になって返ってきた場合、クリーニング業者は利用者に与えてしまった損害を賠償しなければなりません!
サイズや生地の質感が変わってしまった!!
- 大切な洋服が一回り小さくなって縮んで返ってきた!
- ザラザラした質感に変わってしまった!
- カビが生えてしまった!
など、元の質感から大きく変化してしまったというトラブルも、補償対象です。
ただし、利用者は受け取り時に確認し、その時に発見した異常でないと認められないこともあります。
たとえば、一旦自宅へ持ち帰り、ビニールカバーを取らずに【しばらく放置しカビを発生させてしまった場合などは、補償の対象外】となります。
付属品やボタンが破損!?一部が割れている!!
- ボタンが破損している!
- 付属品にヒビが入っている
など、付属品の一部が破損していることも多いようです。
もちろん、こちらも補償の対象ですが、受け取り時に確認しなければなりません。
クリーニングに出す前に、「破損部分なし」だということが、業者と利用者の相互確認済みだった場合、ボタンや付属品の破損は、補償してもらえます。
商品の一部が紛失、または丸ごと紛失されてしまった!!
- 預けたもの全て紛失されてしまった!
- 預けたものの一部を紛失された!
など、預けた物がどこにいったかわからず紛失されることもあります。
何カ月も探してもらっても見つからなかったということも稀に起こります。
どれだけ探しても見つからなかった場合、もちろん補償対象になります。
クリーニング業者は、利用者から預かった洗濯物を必ず返還することが義務づけられているため、紛失された場合は損害を賠償してもらえます。
もっと具体的な補償金額が知りたい!!
具体的な補償内容を知りたい人は、どのくらいの金額を補償してもらえるのか…? という点も気になっていると思います。
実は、「クリーニング事故賠償基準」には、具体的な賠償額を計算する算定方式も用意されているんです!
「クリーニング事故賠償基準」では、賠償額の算定方式が決まっている!
「クリーニング事故賠償基準」では、クリーニングでトラブルに見舞われた方への賠償額を算定するため、次のような基本方式を用意しています。
- 賠償額 = 物品の再取得価格 × 物品の購入時からの経過月数に応じた補償割合
再取得価格とは、預けた物品のトラブル発生日の時価!
「再取得価格」とは、トラブル発生日に、同じものを新たに手に入れようとした時にかかる金額です。
たとえば、買って2カ月しかたっていないワンピースでも、トラブル発生日、購入店ではセール価格で販売していた場合、セール価格が再取得価格になるのです。
経過月数に応じた補償割合は、経過月数にから考える「状態」のこと!
「経過月数に応じた補償割合」は、A級~C級と区分分けされており、物品の平均使用年数に対して、状態はどの程度かで求められます。
「状態」のランクにあたるA~C級の区分分けについては、以下の通りです。
- A級は、物品の経過月数から考えても優れた状態にあるもの。
- B級は、物品の経過月数相応のもの。
- C級は、物品の経過月数から考えて、B級よりも劣化した状態にあるもの。
物品の経過月数が短ければ短いほど、物品は新しい状態に近くキレイなわけですから、購入して2カ月しか経っていないワンピースの場合、比較的良好な状態であると思います。
しかし、もし、ひっかけ穴や毛玉などがひどく、経年月数から考えても見劣りする状態だとすれば、C級と認定されます。
Aの補償割合は高いパーセンテージで、C級になるほど低いパーセンテージになります。
つまり、使用年数は少なくても、ダメージの激しいものになればなるほど補償金額は少なくなるということです。
※全国クリーニング生活衛生同業組合連合会のクリーニング事故賠償基準に付随する表に基づいて算出されます。
物品の劣化が激しい状態にあると、使用した年数が少ない新しいものでも、価値としては低く算出されるということです。
「クリーニング事故賠償基準」を採用要していないクリーニング業者は注意が必要!
逆に、クリーニング事故賠償基準に基づいてトラブル対応にあたっていないクリーニング業者の具体的な補償内容は、当方でもわかりかねます。
その場合、トラブル時の補償内容について各店舗に問い合わせするしかないでしょう。
中には「洋服があり得ないほど縮んでしまった!!」というようなトラブルがあっても補償してくれない悪徳クリーニング業者も存在しますので、補償内容についてはご利用前に必ず確認しておきましょう!
「クリーニング事故賠償基準」を採用していないクリーニング業者を利用する場合、補償内容を事前に確認することを強くオススメします。